定常性

定常性とは何か?時系列分析に欠かせない大前提

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定常性とは、大雑把にいうと「時点に影響を受けない特徴を持つ」ことです。つまり、対象とするデータがその期間内で時点に依存せず普遍的に同じ特徴を持つということです。

定常性は時系列分析にあたって、避けて通れない大切な概念です。「定常性を有すること」は基本的な時系列モデルを使う際の大前提となっています。モデルを適用する前に必ずデータが定常性を有するかを確認します。そのため、定常性について理解することがとても大切です。

定常性とは?

定常性は、同時分布や基本統計量の時間普遍性に関するものであり、何を不変とするかによって、弱定常性(weak stationarity)と強定常性(strict stationarity)の2つに分類される.

経済・ファイナンスデータの計量時系列分析
  • 定常性は同時分布や基本統計量の時間普遍性に関するものです。
  • 何を不変とするかによって、弱定常性と強定常性の2つに分類されます。

同時分布と基本統計量については、弱定常性・強定常性の説明で詳しく述べます。

時間普遍性とは時間(時点)に依存しないということです。同時分布や基本統計量が時点に依存せず、時間差のみに依存する場合、定常性を満たします。

弱定常性とは?

定義

弱定常性は過程の期待値と自己共分散が時間を通じて一定であることを要求するものである.

定義1.1(弱定常性) 任意のtとkに対して,

  • E(yt)=μCov(yt,yt−k)=E[(yt−μ)(yt−k−μ)]=γ
  • kE(yt)=μCov(yt,yt−k)=E[(yt−μ)(yt−k−μ)]=γk

が成立する場合, 過程は弱定常(weak stationary)といわれる.

経済・ファイナンスデータの計量時系列分析

ある確率変数列{R[1],R[1],R[3],...,R[n]}が次の3つの条件

  1. E(R[t]) = a 平均が一定
  2. Var(R[t]) = Υ[0] 分散が一定
  3. Cov(R[t],R[t-h]) = Υ[h] 自己共分散がラグhのみに依存

を満たす時、(弱)定常性をもつと定義します。

現場ですぐ使える時系列データ分析

要約

平均・分散が時点に依存することなく一定であり、自己共分散が時間差のみに依存し時点に依存しない場合に弱定常性を有すると言えます。

自己相関は自己共分散を基準化したものなので、自己共分散が時点に依存しなければ、自己相関も時点に依存しません。

理解するための前提知識

自己共分散とは?

自己共分散は時系列分析に特有の統計量で、時系列データにおける異時点間の共分散を表します。

自己共分散からは1時点離れたデータが期待値を基準としてどの方向に動くかを解釈することができます。

自己共分散が正であれば、1時点離れたデータは期待値を基準として同じ方向に動く傾向があり、負であれば、逆の方向に動く傾向があります。

自己相関とは?

自己共分散は値が単位に依存するため、変数間の関係の強弱を測ることはできません。そこで、自己共分散を基準化したものが自己相関係数です。

基準化とは?

基準化とは、各データから平均値を引き、標準偏差で割る操作のことです。そうすることで元データ固有の平均値や標準偏差の大きさに影響されなくなります。この操作により異質のデータ(例えば、味と香り)であっても平均値が0、標準偏差が1となるため基準化されることで比較することが出来るようになります。
規準化とも書きます。

基準化(きじゅんか)とは | アンケートQ

強定常性とは?

強定常性は同時分布が不変であることを要求するものである.

経済・ファイナンスデータの計量時系列分析

「強定常過程」では同時分布が時点に依存せず同一となります。

参考

-時系列データ分析

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